痛風が気になる…「焼酎なら大丈夫」はウソ!?

尿酸値が高い、痛風が気になる…という方もおられると思います。
痛風予防には、プリン体を控えることを真っ先に考えますよね。

栄養相談をしていると、「プリン体が気にして、焼酎にしてます。」という話はよく伺います。プリン体を意識すること、これは意識しないよりよっぽど良いです。ただ、焼酎なら大丈夫というのは、ちょっと違うんです。

今回は、痛風やその要因である尿酸値、お酒について、まとめてみます。

痛風発作とは

血中の尿酸値が高くなると(高尿酸血症の状態が続くと)、血液中に尿酸が溶けきれなくなります。そうすると血液中のナトリウムと尿酸が結合して、結晶化し関節などにたまります。足の親指の関節にたまることが多いため、痛風は足が痛いイメージが強いですが、その他の関節に結晶がくっつくこともあります。

じつは、この尿酸の結晶が、とても鋭くとがった形をしているんです。そんな結晶が関節にくっついてしまうと、周囲の組織に炎症を起こします。無数の鋭くとがった結晶が刺さり、関節周辺の組織を傷つけて炎症を起こすということです。
これが痛風発作です。痛風発作は、字の通り、風が吹いても痛い(風程度の刺激でも痛い)と言われます。実際には、風が吹かなくても痛いほどの、激痛だそうです。恐ろしいことですね…。

プリン体と尿酸

痛風発作を防ぐためには、血液中の尿酸値を低く保っていればOK。尿酸はプリン体からつくられるので、プリン体の摂取量を控えることは重要です。
ただ、尿酸は食事から食べなくても、私たち自身の体内で合成されるんです。

そこで、もっと重要なのはスムーズに尿酸を体外に出すこと。私たちは知らず知らずのうちに、尿に溶かして体外に排出しています。

痛風の敵はビールだけ??

痛風・プリン体といえば、ビールを思い浮かべる方が多いと思います。確かに、アルコールの中で、プリン体が一番多いのは、ビールです。しかしながら、ビール以外のプリン体の少ないアルコールを飲んでも、尿酸値は上がってしまうんです。

体内で、アルコールが分解されるとき、アルコール自体は酢酸を経て、水と炭酸ガスになりますが…その過程で、体内に乳酸が増えてしまうんです。(乳酸が増える理由は長くなりますので割愛いたします。)

その乳酸が、尿酸を尿に溶かして排出するのを邪魔してしまうんです。そのため、尿酸が体外に排出されずに、血液中の尿酸値が上がってしまいます。

尿酸・乳酸・酢酸と言葉が似ていてわかりずらいかもしれませんが…

要するに、アルコールを飲むことで、体内の尿酸が排出されにくくなるため、尿酸値が上がってしまうというわけです。アルコールの種類は関係ありません。「焼酎だから大丈夫!」というのは違うんです。

焼酎や、ハイボールでも、安心できないのです。

お酒の適量

ビール 500ml
ワイン 200ml
焼酎  100ml
日本酒 1合(180ml)

上記、一日の目安量を記載いたしました。女性や高齢者の方ですと、もっと少ない量が適量とされます。すでに病院で、お酒の量を制限されている方は、主治医の指示の通りにしてくださいね。

まとめ

栄養相談の際に気になっていた、「焼酎(または、ハイボール)だから大丈夫!」という言葉。本当のところは、アルコールならすべて、尿酸値に影響が出るんです。
アルコールは適量であれば問題ありません。ただ、病気になると、主治医より禁酒と言われてしまう可能性もあります。そうなったら、非常に残念。
健康を害さない適量を守って、楽しみたいものですね。

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