セカンドミール効果|しっかり朝ご飯で血糖値が変わる⁈

セカンドミール効果

カナダのトロント大学のジェンキンス博士の研究で、一日の最初に食べた食事(ファーストミール)が2回目の食事(セカンドミール)の際にも食後血糖値に影響を及ぼすというもの。

ファーストミールで、糖質控えめ・食物繊維をたっぷりと含む食事を食べると、セカンドミールの際にも、食後血糖値の上昇が抑えられるのです。

糖質控えめ、食物繊維多めという食事が血糖値上昇を抑えるというところまでは合点がいくかなと思いますが、次の食事の食後血糖値まで抑えるというのは驚きです。

特に水溶性食物繊維を摂取ることがポイント。

また、1日のエネルギーや糖の摂取量が同じ場合でも3食のエネルギー量のバランスを変えることでも、1日トータルの血糖値に変化があらわれます。

※ファーストミールを朝食、セカンドミールを昼食としています

①朝食をしっかりと食べて(エネルギー量を多めに摂取)、夕食を軽く済ませる(エネルギー量少な目)場合

②朝食を軽めに済ませ、夕食をしっかりと食べた場合

どちらの場合も、昼食のエネルギー量は同じものを食べて、朝食と夕食のエネルギー量のみを変えます。

すると、①の朝食にエネルギー量を多めに摂取したグループの方が、昼食以降の血糖値の上昇が抑えられるというのです。

朝食にしっかりとたべているので野菜や豆、フルーツなどの食物繊維の摂取量が増えたものと考えられます。

1日全体としては同じエネルギー量、糖質量を摂取しているのに、朝食と夕食の摂取エネルギーバランスを変えることで、1日全体としての血糖値を下げることができるとなると、興味深いと思います。

それから、朝食抜きの食事では、最も顕著に昼食以降の血糖値が上昇します。朝食抜きダイエットというのも聞いたことがありますが、血糖値の急上昇によって無駄に多くのインスリンを使ってしまうことになります。

インスリンは膵臓のランゲルハンス島で作られていますので、膵臓への負荷が大きくなるというのは心配です。膵臓が疲弊してインスリンの量が減ってしまうと、糖尿病の可能性が出てくるのです。

日本では朝食は軽く済ませて、夕食が一番豪華ということが多いのですが、これは血糖値が上がりやすい食事方なんですね。

朝食に食物繊維をたっぷりと食べることで、血糖値が上がりにくくなるなら、試してみたくなりませんか??

血糖値と糖尿病

血糖値は血液中のグルコース(ブドウ糖)濃度です。食事の後に上がります。健康な状態では、食後に上がった血糖値をインスリンが下げて、血糖値が高い状態が続かないように保ちます。

健康診断の時に測る血糖値は、多くの場合が空腹時血糖値です。

空腹時血糖の正常値は100未満です。100を超えると特定保健指導のリスクの1つとしてカウントされます。126以上になると糖尿病の可能性もあり、必ず受診が必要です。

たとえ、血糖値が126になってしまっても自覚症状がない場合がほとんど。『元気なのに何で病院へ行かないといけないの??』と不思議に感じるかもしれません。

でも、その自覚症状がないというのが厄介なのです。

血糖値の高い状態が続く糖尿病を放置することは非常に危険です。糖尿病には怖い合併症があります。

・糖尿病性腎症

⇒ 治療をしないと、腎臓が尿を濾すことができなくなって、透析が必要になります…。透析の患者さんは、週に3日も透析に通わないといけません。一回の透析には4時間もかかるので、かなり負担が大きいです。

・糖尿病性網膜症

⇒ 治療しない場合、失明の可能性もあります。

・糖尿病性神経症

⇒ 足や手にしびれがでます。さらに放置して重症化すると、最悪の場合は足が末端から壊死するという可能性まであるのです。

このように合併症は恐ろしいものばかりです。自覚症状がなくても血糖値が高い場合には受診が必要です。

まとめ

セカンドミール効果について調べているうちに、朝食がいかに重要なのかが分かってきました。

朝食を食べない習慣の方もいらっしゃいますよね。朝食を食べること自体がハードルが高いとお思いの方は、カットフルーツやカット野菜を用意することから始めてみませんか。

セカンドミール効果には、まだまだ分からないことも多いようで、今後の研究が楽しみです。

これからは朝食に食物繊維を取るという健康づくりが定着していくかもしれませんね。

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